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神戸地方裁判所 平成8年(行ウ)29号 判決

②事件

原告

岩本堯夫

外二名

右三名訴訟代理人弁護士

前田貞夫

福井茂夫

被告

今井晶三

外一名

右両名訴訟代理人弁護士

神田靖司

右訴訟復代理人弁護士

大内麻水美

主文

一  原告らの請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告らの負担とする。

事実及び理由

第一  請求

一  被告今井晶三は、豊岡市に対し、金一五〇万円及びこれに対する平成八年九月二九日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告小森進は、豊岡市に対し、金三〇万円及びこれに対する平成八年九月二九日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二  事案の概要

一  争いのない事実等(証拠を掲げた部分以外は、当事者間に争いがない。)

1  原告らは兵庫県豊岡市の住民であり、被告今井晶三(以下「被告今井」という。)は平成八年度において同市市長の、被告小森進(以下「被告小森」という。)は同年度において同市市議会議長の各職にあった者である。

なお、被告今井は、豊岡市の外郭団体で、外国都市との市民、団体間での親善、相互理解の促進等を目的とする豊岡市国際交流協会(以下「協会」という。)の会長を兼ねていた。(乙二、証人塚本)

2  被告ら、豊岡市職員で市長公室長の塚本信行(以下「塚本」という。)、市長公室秘書課広報係主幹の村田正次(以下「村田」という。)及び同課交流係主査の鈴木順子(以下「鈴木」という。)(以下、上記五名を「市関係者ら」という。)並びに同行者として募集された市民二八名は、豊岡市とスペイン国バレンシア州アリカンテ県アリカンテ市(以下「アリカンテ」という。)との国際姉妹都市提携の調印を目的として、平成八年六月二一日から同月三〇日までの一〇日間の日程で、ジュネーブ、アリカンテ、マドリッド、パリの各都市の旅行(以下「本件旅行」という。)を行った。

3  豊岡市は、本件旅行に関する市関係者らの旅費として合計二三九万六五六五円を支出した。

4  原告らは豊岡市監査委員に対し、平成八年六月二七日付けで、被告らが本件旅行費用の一部を豊岡市に返還することを求める旨の監査請求を行ったが、右監査委員は原告らに対し、同年八月二三日付けで、措置の必要を認めないとの監査結果を通知した。

二  当事者の主張

1  原告らの主張

(一) 本件旅行の目的は、豊岡市とアリカンテとの国際姉妹都市提携の調印を行うことであり、市関係者ら及び市民らがアリカンテを訪問したことは右目的に照らし首肯できるが、アリカンテ以外のジュネーブ、マドリッド及びパリの各都市の訪問は、いずれも本件旅行の目的とは関係のない単なる観光旅行であり、公務ではない。

(二) 被告今井は豊岡市長として、平成八年六月六日、市関係者らの旅費合計二六八万四六五〇円の支出命令をし、同日、豊岡市から同額が市関係者らに対して交付されたが、同市は、同年七月二三日、右五名から各五万七六一七円の返納を受けた結果、差引合計二三九万六五六五円の支出となった。

(三) 一方、本件旅行に同行した一般市民二八名については、旅費のうち一人当たり一五万円が協会から補助金として支給され、私的な観光旅行の費用に相当する一人当たり三〇万円が自己負担となった。

したがって、市関係者らに対する旅費の支出のうち、一人当たり三〇万円、合計一五〇万円ついては、公務に対する旅費ではなく、本件旅行の目的を逸脱した私的な観光のための支出である。また、公務員である市関係者らが一般参加者に比較して宿泊等で優遇される理由は全くないのに、一般参加者に対してはツインルーム一室に二名宿泊させながら、市関係者らに対してはダブルベッドの部屋に一人で宿泊させた。豊岡市の「職員等の旅費に関する条例」、「市議会の議員の報酬等に関する条例」及び「団体旅行による外国旅行における旅費支給一般通則」は公務のため旅行する職員等及び市議会議員の旅費の支給について定めているが、右一五〇万円は公務のための旅費ではなく、その支給は右の条例等に基づかないものであるから、地方自治法二〇四条の二に違反する公金の支出である。

(四) 被告今井は、一五〇万円の旅費の支給が違法であることを認識しながら支出命令を行って豊岡市に同額の損害を与え、被告小森は三〇万円の旅費の支給が違法であることを認識しながら受領して同額の利得をした。

(五) よって、原告らは豊岡市に代位して、地方自治法二四二条の二第一項四号に基づき、被告今井に対し一五〇万円の損害賠償、被告小森に対し三〇万円の不当利得返還及びそれぞれに対する本件訴状送達日の翌日である平成八年九月二九日から支払済みまで民法所定年五分の割合による遅延損害金を豊岡市に支払うことを求める。

2  被告らの主張

(一) 本件旅行は、アリカンテとの国際姉妹都市提携の調印を行うことが主な目的であるが、それとともに豊岡市の外郭団体である協会の国際交流事業の一環という性格をも有するものである。協会は、本件旅行において、豊岡市とアリカンテとの国際姉妹都市提携を機に一般市民にも広い分野で外国を視察してもらい、国際感覚を醸成することを企画していたので、アリカンテ以外の都市を訪問し、旅行日程に観光的要素が含まれていたとしても、何ら本件旅行の目的に反するものではない。

(二) また、ジュネーブ訪問は、但馬空港フェスティバル実行委員会(会長は被告今井)の主催で平成八年に開催される但馬空港フェスティバルにおいて実施が予定されているアエロバティックスを成功させるため、被告今井が市長兼右実行委員会会長として、国際航空連盟所属のワールドグランプリ・オブ・アエロバティックスを主管する組織の代表者であるジャン・ルイ・モネ氏(以下「モネ氏」という。)に協力を要請するとともに、国際機関を視察する目的があった。また、マドリッド訪問は、駐スペイン日本大使館からの要請で豊岡市関係者が竹元正美公使(以下「竹元公使」という。)と会談し、国際姉妹都市提携に関して話し合う目的があった。さらに、パリ訪問は、今後の都市整備の参考とするために中水道設備、放射状の街づくり等を視察する目的があり、それぞれの行政目的に沿って挙行させたのであるから、単なる観光旅行ではなく公務である。

(三) 原告らは、市関係者らに対するシングル代金の支払は不当である旨主張するが、市長らについては国内出張の場合でも、一泊当たりの宿泊料は定額が定められており、通常シングルルームを利用しているが、本件旅行においては一般参加者の応募をしやすくするため、個人負担の金額を低く抑えたものであり、希望者についてはシングルルームを用意した。

3  原告らの再主張

被告らが、ジュネーブ訪問中に実際にモネ氏と会談したかどうかは疑問である。会談の事実があったとしても重要な内容ではないし、但馬空港フェスティバル主催者は豊岡市ではないから、モネ氏への協力要請は公務ではない。

被告ら豊岡市関係者がマドリッドで竹元公使と面会したことは認めるが、昼食を共にして雑談をしたに過ぎない。

三  争点

本件旅行におけるジュネーブ、マドリッド及びパリ各都市の訪問及び公務性

第三  当裁判所の判断

一  前提事実

争いのない事実、証拠(甲三ないし六、乙一、二、四、六の1ないし3、七の1ないし13、八ないし一〇、証人塚本)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。

1(一)  豊岡市は、昭和六一年に、国際交流の推進を行政の指針とし、その事業の一つとして国際姉妹都市提携の締結を行うとの基本構想を策定し、市議会の承認を得た。また、同市は、平成元年に、平成二年度の市制四〇周年記念事業の一つとして国際姉妹都市提携締結の実現を計画し、日本貿易振興会から候補都市として推挙された都市の中から、皮革製品の生産が盛んで観光都市として社会基盤も確立しているアリカンテが姉妹都市として適当であると判断した。平成三年一一月一三日には協会が発足し、豊岡市が行政として協会の活動を支援し、行政レベルのみならず市民レベルでもアリカンテとの国際姉妹都市提携締結に向けて交流活動を行った結果、平成七年にアリカンテ市長が豊岡市を訪れ、同市長から、翌八年にアリカンテ最大の祭りであるサンファンの火祭りに豊岡市民にも参加してもらい、国際姉妹都市提携の調印を行いたいとの意向を示された。

(二)  豊岡市長(被告今井)は、平成八年六月にアリカンテを訪問し、同市との国際姉妹都市提携の調印を行うことを決定し、同年三月定例市議会において同意を求めたところ、議会はこれに同意した。

(三)  豊岡市は、国際姉妹都市提携の調印に、一般市民も参加した友好訪問団として臨むため、協会と共同で旅行の日程、行先等を検討し、参加者約三五名で、平成八年六月二一日から一〇日間でパリ、バルセロナ、アリカンテ、マドリッド及びジュネーブの各都市を訪問する行程を立案した。そして、同年三月二六日、協会から旅行代理店三社に対して旅行代金の見積りを依頼し、同年四月三日、最低の代金を見積った代理店に対して代理店決定通知をした。

協会では、日程等の変更があり得ることを前提として、同年三月二一日、友好訪問団の行程及び参加者に対し一人当たり一五万円を協会のスペイン友好訪問団経費から補助することを理事会で決定し、同年四月八日、一般参加者の参加費を一人当たり三〇万円とすることを総会で決定するとともに、会員に対し本件旅行への参加者を募集したところ、二八名の応募があった。

(四)  その後、当初の予定より一般参加者の応募数が少なかったこと、調印式を予定していた六月二四日がサンファンの火祭りのため公式行事を組むことができず、調印式を翌日に変更したこと、使用する航空機を変更したこと等の理由から、豊岡市及び協会は、最終的に、本件旅行の訪問先をジュネーブ、アリカンテ、マドリッド及びパリと決定し、一人当たりの旅行代金を、ホテルでツインルームに二人で宿泊する場合は四四万四三〇〇円、一人部屋を使用する場合は四九万四三〇〇円とした。

2  本件旅行の内容は次のとおりであった。

(一) 平成八年六月二一日 大阪(関西国際空港)発、パリ経由でジュネーブ着。

(二) 同月二二日 専用バスでシャモニー及びジュネーブ市内(国際連盟跡地等)見学。

(三) 同月二三日 午前中、被告ら及び豊岡市職員らがモネ氏と会談する。ジュネーブ発、ロンドン経由でアリカンテ着。アリカンテで火祭りの前夜祭見学。

(四) 同月二四日 専用バスでアリカンテ市内(火祭りの飾り、体育館、公園、サンフェルナンド城址等)視察、サンタバルバラ城で公式昼食会。サンファンの火祭りに参加。

(五) 同月二五日 アリカンテ市庁舎訪問、国際姉妹都市提携調印式、記者会見。午後、専用バスで皮革製品試験・研究所、靴工場及び鞄袋物工場を見学。アリカンテ市主催のお別れ夕食会に出席。

(六) 同月二六日 朝アリカンテ発、マドリッド着。専用バスでトレド市内(サント・トメ寺院等)見学。

(七) 同月二七日 午前中、専用バスでマドリッド市内(マヨール広場、プラド美術館等)を見学し、昼食時、市関係者らが駐スペイン日本大使館竹元公使と会談。午後、マドリッド発、パリ着。

(八) 同月二八日 専用バスでパリ市内(中水道施設、公園、コンコルド広場、ノートルダム寺院等)を見学し、セーヌ川を観光船で川下り。

(九) 同月二九日 午前中、専用バスでパリ市内(ベルサイユ宮殿)見学、午後、パリ発、ロンドン経由で関西国際空港へ向かう。

(一〇) 同月三〇日 関西国際空港到着。

3(一)  豊岡市長(被告今井)は、平成八年六月六日、本件旅行に同行する市関係者らの旅費合計二六八万四六五〇円の支出命令をし、同日、同額が豊岡市一般会計の国際交流推進費から支出され、市関係者らに交付されたが、帰国後に精算した結果、本件旅行に伴う旅費として市関係者らに対して支給された金額は合計二三九万六五六五円となり、その内訳は別紙のとおりであった。

(二)  市関係者ら以外の本件旅行の参加者二八名については、前述のとおり、旅行費用が四四万四三〇〇円(ホテルでツインルームに二人で宿泊する場合)であるところ、協会から一人当たり一五万円を補助し、参加費として一人当たり三〇万円を徴収し、ホテルで一人部屋を使用する場合は別途追加料金五万円を徴収したが、アリカンテ滞在費の一部を同市が負担したため、一人当たり二万一八三〇円の費用が不要となった。そこで、協会は参加者に対し、一人当たり旅行費用の残額二万七五三〇円から雑費三〇円を控除した二万七五〇〇円を返還して精算した。

二  争点に対する判断

1 まず、本件旅行におけるジュネーブ、マドリッド及びパリ各都市の訪問の公務性を判断する前提として、本件旅行の目的を検討する。

本件旅行の目的が、主としてアリカンテにおける同市との国際姉妹都市提携の調印であったことは、前記前提事実から明らかである。

また、証拠(甲三、四、乙二、証人塚本)によると、豊岡市では、従前からアリカンテに限らず広く外国都市との市民間での友好親善や相互理解を通じて国際交流を促進する方針を採っていたこと、平成八年三月及び六月の定例市議会において被告今井が豊岡市長として、アリカンテとの国際姉妹都市提携は異文化との交流により地域住民の国際感覚を醸成し、国際理解を促し、国際化の進展に対応するために行うものであり、アリカンテ以外の外国の都市との交流、相互理解の契機としても位置づけられることが望ましい旨の答弁をしていること、豊岡市が協会と共同で本件旅行を企画立案し、一般市民の参加者を募っていることが認められ、これらの事実からすると、本件旅行は、単に国際姉妹都市提携の調印だけではなく、広く外国都市の視察を通じて一般市民を含む参加者の外国の風土、文化等に対する理解を深め、国際交流を促進することをも目的としたものであったと認められる。

さらに、証人塚本の証言によれば、右の目的に付随して、市関係者らがモネ氏に対しアエロバティックスの成功のために協力を要請すること及び竹元公使と市関係者らがアリカンテとの交流について会談を行うことも本件旅行の目的であったことが認められる。

そうすると、市関係者らが、国際姉妹都市提携の調印が行われるアリカンテを訪問することはもとより、調印の機会に、上記の目的に照らし、必要、合理的な範囲でアリカンテ以外の外国都市を訪問することは公務に該当すると解すべきである。

2(一) そこで、右目的に照らして、ジュネーブ、マドリッド及びパリ訪問の公務性について検討する。

前記の前提事実によれば、本件旅行には市民二八名が同行したこと、本件旅行の日程は主たる目的であるアリカンテ訪問を中心に計画、実施され、ジュネーブ等の訪問はアリカンテ訪問の機会に異文化に接する目的で副次的に計画されていること、いずれの都市も主たる目的地のアリカンテに比較的近接し、各都市訪問の旅行経路も不自然なものではないこと、ジュネーブにおいてはモネ氏との会談の用務が、マドリッドにおいては竹元公使との会談の用務がそれぞれ予定され、いずれも予定どおりに行われたこと等の事情が認められ、これらによれば右各都市の訪問は、前記認定の目的に適ったものであるというべきである。

(二) これに対し、原告らは、右各都市で参加者らが一般観光客と同様の観光地を見学した等として、右各都市の訪問を公務性のない私的な観光であると主張する。前記認定の旅程、乙第一号証及び証人塚本の証言によれば、ジュネーブ、マドリッド及びパリ見学の行程は一般旅行者による観光と同様の内容ともいい得るものであり、観光的要素があることは否定できないが、前記の本件旅行の目的に照らすと、単に、旅程に各都市の著名な観光地や施設の見学が盛り込まれ観光的要素が含まれるからといって、アリカンテ以外の各都市の訪問がもっぱら私的な観光旅行であると評することはできず、本件旅行の目的を逸脱しているとまでは認められない。

また、原告らは、ジュネーブでのモネ氏との会談は市関係者としての立場で行われたものではないから公務とはいえないこと、マドリッドでの竹元公使との会談は雑談に過ぎないことを主張するが、乙第八号証及び証人塚本によれば、ジュネーブで被告らがモネ氏と面談し、但馬空港フェスティバルの成功は空港のPR及び利用促進のために大きな意義を有する旨を述べて協力依頼を行ったことが認められ、右依頼は豊岡市又は同市議会の代表者として、フェスティバルの成功により空港の利用促進や市の活性化を図る目的でなされたものと解されるから、右会見の公務性を否定することはできない。また、乙第九号証及び証人塚本の証言によれば、マドリッドでの竹元公使と市関係者らとの会談は駐スペイン日本大使館からの招請で行われ、その内容は、被告今井らが豊岡市とアリカンテとの今後の交流について同公使に説明するとともに協力を要請し、同公使がジェットプログラム(外国語指導員を国際交流員として派遣するもの)について助言を行うなど具体的なものであったことが認められ、この内容からすると、会談はアリカンテとの交流を成功させるために駐スペイン日本大使館の協力を要請するという重要な公的意義を有していると解され、雑談と評価することは到底できないものである。

(三) よって、本件旅行で、ジュネーブ、マドリッド及びパリの各都市の訪問に一般の観光旅行と同様の行程が含まれていたとしても、市関係者らによる右各都市訪問は、本件旅行の目的に照らし、必要、合理的な範囲で行われたものであり、公務性が認められるというべきである。

3  旅費についても、職員等が旅費に関する条例一九条の二、市議会の議員の報酬等に関する条例五条は、外国旅行については国家公務員の外国旅行の例に準じ、その都度旅行命令権者が市長と協議して定める額を支給する旨規定するところ、本件旅行の参加者負担金(交通費、宿泊料、食事料その他の経費を含む。)は、欧州に九泊一〇日の滞在をする行程で一人当たり四九万四三〇〇円(うち五万七六一七円は後に返納された。)であるから、市関係者らによる外国旅行に係る費用としては、相当な程度の金額と認められる。なお、原告らは、市関係者らが一人部屋に宿泊したことをもって、市関係者らを理由もなく優遇したものであると主張するが、一般参加者も希望すれば一人部屋に宿泊できたことは前記のとおりであり、市関係者らの地位に鑑みると一人部屋に宿泊したからといって、宿泊費用が不相当になるとはいえない。

また、日当は、「団体旅行による外国旅行における旅費支給一般通則」に拠り、国家公務員等の旅費に関する法律三五条に準じ、市関係者らの各行政職職務級に応じて同法の別表二の一に定める額により出発日と到着日の二日間分が支給され、支度料は、右「一般通則」に拠り、国家公務員等の旅費に関する法律四六条の運用方針一項9に準じ、各行政職職務級に応じて同法の別表二の三の旅行期間一月未満の定額の二分の一に相当する額が支給されたものと認められる。

4  そうすると、市関係者らに対する本件旅行の旅費の支出には、何ら違法は認められない。

三  結論

以上のとおり、原告らの請求は理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官將積良子 裁判官田口直樹 裁判官武宮英子)

別紙〈省略〉

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